動植綵絵『梅花群鶴図』　 画面いっぱいに花や蕾のリズムある背景に六羽の鶴が描かれている吉祥作品です。
咲き誇る満開の梅花と６羽の丹頂鶴を画題として描いた吉祥画の傑作。
寺院などにあった中国絵画が下敷きになっているといわれる。「動植綵絵」15番目の作品。

動植綵絵『梅花皓月図』　 自由奔放な枝振りの白梅を皓々と照らす満月。
白梅の生命の力強さを感じさせます。
梅の花を照らす月光を際立たせるため、花弁の胡粉の塗りにも一つひとつ変化をつけ、ガク、花粉にいたるまで丁寧に描かれている。華麗の一語に尽きる作品。

動植綵絵『老松孔雀図』　 長寿の老松、富貴の牡丹、毒蛇を退治する魔除けの孔雀。白い孔雀は神の使いとも云われます。
不老不死の象徴・松を背景に、邪気を祓う孔雀を描いた吉祥の一幅。深紅のボタンと対照的な純白の孔雀の羽1枚1枚を丹念に描いた、若冲のこだわりが伺われる。

動植綵絵『老松白鳳図』　 輝く純白の羽の流れが艶やかだが、凛とした顔の表情が高貴な鳳凰ならではの雰囲気を醸し出しています。
右上部隅に浮かぶ朝日に向かって鳴き声を上げる純白の鳳凰。その表情は雄を描いたにも拘わらずなまめかしく、写実を旨とした若冲作品の中でも特異な一幅。

動植綵絵『群鶏図』　 若冲作品に多く描かれている題材の鶏。
今にも画面から飛び出してきそうなほど生き生きとした十三羽の鶏が密集して描かれている代表作。
若冲といえば鶏。強烈なインパクトで、絶妙のポジショニングで絡み合う雄鶏を描いた代表的作品。観察と写生に余念がなかった若冲の真骨頂が伺われる。

動植綵絵『紅葉小禽図』　 六百枚近くの葉を何種類もの彩色で描き分け深い奥行きを表現しています。
瑠璃鳥の雌雄の戯れが心和ませます。鮮やかな紅葉のなかで戯れるつがいの瑠璃鳥。
600枚近くの葉を微妙な濃淡と彩色で遠近をつけ奥行をみせる。画題に植物が登場する「動植綵絵」後期の傑作。

代表作『旭日鳳凰図』　 一瞬にして、心を鷲づかみにする鮮烈な色彩。生き生きとした鳳凰が圧巻。岩場に立つ雄雌の堂々とした姿、尾羽が対角線をなす構図と超細密描写は、これぞ若冲。平和な世にのみ現れる鳳凰の高貴な美しさを中央に配し、奇岩に打ち寄せる波しぶき、雲間からは壮大な旭日。名実ともに代表作といえる。

動植綵絵『桃花小禽図』　 樹木を覆い尽くすかのように咲き誇る桃の花の中で遊ぶ小禽たち。三羽は白鳩、二羽は青い羽と白い腹をした小鳥。羽ばたき、さえずる姿が躍動的な秀作。

動植綵絵『牡丹小禽図』　 富貴の象徴・牡丹の花と葉がびっしりと描かれ、中央には仲睦まじい一対の小禽。絢爛たる牡丹が多様に表現されているからこそ、小鳥の愛らしさが際立つ。

動植綵絵『向日葵雄鶏図』　 一斉に咲く向日葵と洗練された意匠の朝顔の下で、存在感を放つ雄鶏。江戸時代に渡来したエキゾチックな雰囲気漂う向日葵と鶏は絶妙の組み合わせ。

動植綵絵『秋塘群雀図』　 秋の堤に生えた粟に群がる雀に対し、左手下に向かって一斉に飛来する雀の群れ。面白いのはほどんどの雀が同じように描かれながら、一羽だけが白く描かれている。

動植綵絵『雪中錦鶏図』　 かやの木にはとろけるような雪、可憐に咲く山茶花。曲線的な枝の上には凛とした錦鶏鳥の雄と寄り添う雌。腹から尾の鮮やかな赤が生命力の強さを表現。